おばあちゃん

2019/04/18

近所のおばあちゃんは、96歳。

彼女が15歳のときに母親が5人目の子どもを出産して大量出血したにも関わらず、家が山の上でお医者を呼べず

歩いてしか病院にいけないので、亡くなってしまったそう。お父さんは戦争に行きすでに亡くなっていて

そのとき生まれた男の子は元気で、姉としてなんとか育て、

20歳でお茶碗だけ持ち、身一つでお嫁に行き

子どもを3人授かり育てた

その時代、働き盛りの男の人たちは戦争に行ってしまったり、戦死してしまって

集落にあまりいなかったから、

朝から晩まで草を抜いたり、空に通り過ぎるB29を眺めながら

畑で食べるものを作っていた

生きていくのがやっとだった

食べるものも、着るものも何もなかった

昔はなーんもなかった

貧乏には 負けん

それを 底抜けに明るい青空みたいな笑顔でいうのが口ぐせ。



穏やかで、エネルギーに満ちた笑顔が輝く。

おばあちゃんの命は眩しい。


耳が聞こえないんだけど

鶏さんたちに いつも「おはよう!」と言って

朝早く 山に動物の糞をとりにいき、肥料袋で作ったリュックサックに詰めて持ち帰り、

畑や果樹やお花の近くに埋める。畑も鍬一本でマルチも貼らず化学肥料や農薬ももちろん使わず

昔からずっと変わらない。

おばあちゃんの周りには

さくらんぼや梅や金管やカボス、いろんな果樹がたくさん実り

四季折々の花が畑や庭に満開で、道路やあぜ道にも零れ種でお花が溢れていて

いつも 桃源郷のよう。

生き方が美しい。

おばあちゃんの光が溢れている。


今日も、「な〜んも、なくてごめんな〜」と言って、おみかんと里芋を袋に詰めてくれた。

おばあちゃんが、そこにいるだけで

私たちは 嬉しいんだよ

こんな気持ちを 耳の聞こえない

おばあちゃんに どう伝えようか

言葉にすると 嘘っぽいから


また 明日も 会いに行こう。